福福吉吉

1408号室の福福吉吉のレビュー・感想・評価

1408号室(2007年製作の映画)
3.5
◆あらすじ◆
作家のマイク・エンズリン(ジョン・キューザック)は幽霊や超常現象を題材に本を記しており、いわくつきの場所で取材を続けているものの、彼自身は幽霊も超常現象も信じていなかった。ある日、マイクのもとにドルフィン・ホテルの1408号室で謎の死が頻発しているとの情報が入り、彼はドルフィン・ホテルの1408号室に泊まろうとする。ホテルの支配人(サミュエル・L・ジャクソン)は徹底してその宿泊を拒否するのだが...。

◆感想◆
「いわくつきのホテルの部屋に泊まったら、めっちゃ怖かった」というシンプルなストーリーであり、怖いもの知らずの主人公がホテルの部屋で遭遇する怪奇現象の数々を楽しむ内容となっています。

主人公のマイク・エンズリンは超常現象の本の作家として生計を立てるも大人気という訳でなく、常にネタに困っている状態の人物であり、超常現象自体信じておらず、全ては本の題材に過ぎないという考えの持ち主でした。一方、プライベートでは娘を病気で失ったことをきっかけに妻と別居状態にあり、心に傷を持つ人物としても描かれていました。

本作の肝となるドルフィン・ホテルの1408号室での怪奇現象は、観ている側はそのほとんどが幻覚であることは理解しているので、何かが起こっても心の底から怖さを感じないはずなんですが、その幻覚のバリエーションが凄まじく、どんどん現実が分からなくなっていきます。また、マイクが抱える妻子との思い出なども幻覚の中に含まれていることもあって、精神的にマイクを追い詰めるものになっていて、幻覚の怖さと人の弱点を突く嫌らしさが最後まで楽しめました。映像としても室内という限られた面積でその姿を次々と変えていく面白さがありました。

シンプルかつ映像の変化で本作の面白さが構成されていて、その部分でとても気に入りました。凄く怖いとは思いませんが、なかなか面白かったです。

鑑賞日:2025年1月9日
鑑賞方法:U-NEXT
福福吉吉

福福吉吉