きゅうげん

アビス/完全版のきゅうげんのレビュー・感想・評価

アビス/完全版(1993年製作の映画)
3.6
『アバター2』を祝して!
ジェームズ・キャメロンで「海・やべー軍人・やさしい宇宙人」といったら、やっぱり本作もね。
華々しいフィルモグラフィの中では不発ぎみですが、キャメロンを語るうえで侮ってはいけない映画です。

挑戦的なCGIと完成度の高い特撮の同居や、オーソドックスながら堅実なスペクタクルなど、80‘s的大作感(根性・バカ・爆発)と90’s的大作感(話がデカいのに雑)との、まさしく過渡期な印象を覚える内容です。
「狭くて怖い」「広くて怖い」深海イメージがときどき顔をのぞかせてゾッとしますし、極限環境下で人類最悪の武器を抱えた軍人が発狂する、というシチュエーションがマジ恐怖。

とはいえ他の大作映画と同じく、物語の大味さ・薄味さには看過し難いものがあり、また個々の煽情的な描写も大仰かつ陳腐。
まぁキャメロン作品はストーリーで観るものではありませんからね〜。
本作は、「キューブリックやスピルバーグに、追いつけ追いこせ!」な、キャメロンなりの“接近遭遇”を描きたかったんだろうなぁ……という点が重要な映画ですね。

にしても深海潜水型オイルリグ“ディープコア”、めちゃめちゃカッケェ〜!
直接的なロボット操縦をはじめ、キャメロンのSFデザインセンスは、ずっと一貫したものがありますね。
それとアラン・シルヴェストリのテーマ曲もいい!