ビリケン

羊たちの沈黙のビリケンのレビュー・感想・評価

羊たちの沈黙(1990年製作の映画)
3.5
サイコホラーのクラシックな作品!
謎が多く、なんてモヤモヤする作品!!

キーワードは、精神とジェンダー
主役は若き日の ジョディフォスター で、とても美しいFBI研修生が猟奇的連続殺人事件の捜査の一端を担う話。
彼女は捜査のため、獄中の連続殺人鬼で元精神科医のDr.レクターと対話を重ねていくのだが、超危険人物の巧みな会話に吸い込まれていく…


この映画の特徴は捜査官である主人公が女性であり、小柄でトラウマをもつ研修生であること。
鑑賞後俯瞰してわかったことだが、女性に対して男が持つ性的な視点が数多く描かれている。
特に最後のシーンで暗闇の中バッファロー・ビルがクラリスを追い詰める所を彼の目線から撮っている所は象徴的だ。
きっと怯えて自分の手中にある彼女を撫でるようにシリアルキラー視点の興奮を描いているのだろう…

そしてDr.レクターはこの映画でとても重要な役割を果たすが、言葉の節々が意味深長であり、繊細であるが、この謎は映画を終えても明確に描かれることはない。
自分にはこの モヤっと感 がハマらなかったが、きっとこの作品が 名作 と呼ばれる一つの要因はここにあるのだろうと感じた。