ナンデヤネン

ブロンクス物語/愛につつまれた街のナンデヤネンのレビュー・感想・評価

4.1
ロバート・デニーロ初監督作品。作風はやはり盟友マーティン・スコセッシ監督の作品に似ているなという印象。手堅い仕事をしております。まさに発掘良品。デニーロに監督の才があったとは、良い意味で裏切られた。
大人へと成長していく過程で誰しも経験する反抗期。その時期って周囲から真面目と言われることがダサいと思ってて不良が格好いいと思ってしまう。カロジェロがソニーに憧れたのもそんな感じだったのだろう。
私から見てロレンツォが信念の人ならば、ソニーは自身の経験から得た教訓を教示する人といえる。ソニーが考えていることの方が生きていくために実用的というか。ソニーはカロジェロに決して裏の仕事はさせずむしろ学校へ行けと言う。高校のワル仲間から引き離そうともした。ソニーにとってカロジェロはどんな存在だったのだろうか。マフィアのボスでありながらカロジェロに道を外すなと諭す彼の人柄に、高倉健には届かないまでも漢としての魅力を感じた。
ソニーがあんなことになって最後はロレンツォの元へ戻ってくるカロジェロ。子供を守ろうとする父親の愛情が息子に伝わったんだと思う。息子にしても父親を尊敬していることに変わりはない。
最後の最後にジョー・ペシが登場。ワンシーンだけなのに存在感がめちゃデカい!まさに貫禄。親友デニーロだからできる嬉しいファンサービスだった。
ナンデヤネン

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