すぽんてぃにあす

ブロンクス物語/愛につつまれた街のすぽんてぃにあすのネタバレレビュー・内容・結末

4.2

このレビューはネタバレを含みます

ロバート・デ・ニーロ初監督作品。
基は脚本兼出演もしているチャズ・パルミンテリによる戯曲。

デ・ニーロ初監督というのも凄いけど、このおかげで役者としても成功を収めたパルミンテリの存在感がとても印象的。
対となる立場で、この2人がこれでもかと異彩を放っていましたね。

「大人になれば分かる」って言葉、場合としてそう言わざるを得ないことがあるかもしれないけど、つまりは大人になるまでは分からないということ。
自身でも経験したことあるけど、幼い子供にこの言い回しは辛い。
これで納得できる物分かりの良い子供がどれだけいるのか。
少なくとも自分はこの言葉で両親への信頼感を失ったこともある。

作中のカロジェロは立派に成長したものです。
友人との付き合い方が難しい年頃もある。
人種的な問題で縄張り争いまであって、本当にハードな環境だと思う。
それでもカロジェロには父親が実質2人いたようなもので、それぞれから異なる優しさに育まれていたのですね。

複雑で甘くないカロジェロの人生。
普通の生き方とは程遠かったかもしれないけど、不幸ではなかったはず。
そして結末のその後、これからはカロジェロがどんな道を歩むのか、そんな余韻を感じさせる長いエンディングがまた情趣に満ちていました。