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メリー・ポピンズのmatchypotterのレビュー・感想・評価

メリー・ポピンズ(1964年製作の映画)
4.4
“ミュージカルの映画”、Vol.21。
この企画、あと5本でいこうと思う。

ミュージカルの殿堂、夢と希望とファンタジーが詰め込まれた作品、オリジナルの『メリーポピンズ』。

メリーポピンズ、ジュリーアンドリュース。
知らなかった。『サウンドオブミュージック』のマリアじゃないか。
しかも、両方1964年の映画?
もう、彼女、この年でミュージカルのレジェンド級の作品に2連チャン。
ミュージカルは彼女無しに語れないことがわかった。

そして、この何でも屋みたいなアンチャン、バート。ディックヴァンダイク氏、、、どっかで見たことある顔だと思ったら。
『ナイトミュージアム』のあの守衛のリーダーのおじいさんじゃない。
この時、すでに40歳手前ぐらい。
ナイトミュージアムの時が75歳ぐらい?ってこと?

未だにこの2人、ご健在。
時代を、まさに時代を超えた殿堂入り作品。

ちょっと前に先に『リターンズ』の方を観てしまったが、このオリジナルの大切なところをしっかりと受け継いでいることはわかった。

2人のやんちゃな子供の乳母として突然空からやってきたメリーポピンズ。
いきなり傘を挿して空からやってくる。これはリターンズでも同じ。
この登場シーンで全て持っていかれる。引き込まれる。

メリーポピンズの印象的なところは、謎の魔法使いっぽい力を使うのだけど、それをひけらかすわけでもなく、その力に頼るわけでもないところ。

そして、子供を躾けることに躍起になるわけでもなく、論理で論破するわけでもないところ。

何なら、大人っぽい言葉なんか何1つなく、子供と一緒に子供の目線で成長を助けながら、一緒に笑って、楽しんでるところ。

特に教訓めいた説教くさいところもなく、でも確実に子供達を惹きつけて、大切な“何か”を授けていく。

こんな乳母、素敵過ぎる。

リターンズにもあったけど、絵の中に飛び込むシーン。1964年のオリジナルの段階ですでに完成してる。

Disneyならではの、音とテンポの良いアニメーションに実写のキャラ達がとんでもなくフィットしてる。
メリーゴーラウンドが外れて絵の中を縦横無尽に駆け回る。
このメリーゴーラウンドの馬が道を走ると軸が地面に刺さると、ちゃんと絵にその跡がつく。
これにもう驚いた。なんだ、この細か過ぎるほどの描写。

リアルとアニメの融合。
技術もさることながら、実写の人物とアニメのフィット感、感服。素晴らしい。

子供の期間はあっという間に終わり、大人になる過程で大事なものが抜けていく。
それを忘れたまま子供と向き合うと、子供のことがわからなくなる。

その間に得るものもあり、大人の世界で生きることも大事なことである。

しかし、子供の頃に感じてたあんなこんなこと。
それは無駄なことなのか。
大人になるときには必要なくなるのか。

きっとそんなことはない。
それをメリーポピンズとバートがそれを気付かせてくれる。

大人だからこそ、何とも優しく、楽しく、染み入る不朽の名作。

メリーポピンズ、ジュリーアンドリュース、めちゃくちゃお茶目で可愛い。
絶対に否定せず、突っ走ってる人達をその勢いのまま、良いところを引き出しながら着地させる。

天性のコンサル。

後半の煙突掃除の男たちのダンス、これはなかなか見応えがある。
ディックヴァンダイク、足の長さがスゴいけど、それがめちゃくちゃ活きてる身のこなし。

ワクワク、ノリノリ、笑える最高にハッピーな逸品。
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