えいがドゥロヴァウ

ニュー・シネマ・パラダイス/3時間完全オリジナル版のえいがドゥロヴァウのレビュー・感想・評価

5.0
映画を好きになれる映画
ザ・名作
少年トトの愛らしさに胸をキュンキュンさせ、パラディソ座を通じて映画の歴史と世情の変移に触れ、アルフレードの愛に包まれ、ラストシーンで阿鼻叫喚のボロ泣き体験
映画を食い入るように観て、泣いて笑って、上映が終わって映画の感想をあーだこーだ言いながら劇場をあとにする観客
そうそう、これこれ
映画の楽しさってこれだよなってなれれば
あなたと僕はたちまちベストフレンド
言いすぎた
グッドフレンド

3時間オリジナルバージョンが試写で不評だったために
劇場公開の際は2時間のカットバージョンが上映された
その最大の違いは
オリジナルではトトの大恋愛の後日談がじっくりと描かれていること
これがとてもほろ苦い
蛇足という意見も多く見受けられる
わかる、わかりますとも
でもね、これがあるからこそ、ラストシーンにより一層深みがあるんじゃないかしら
酸いも甘いもあってこその人生じゃないかしら
そうなんじゃないかしらってことで
僕はオリジナルバージョン推しです

今はなき三軒茶屋シネマで数年前に上映があったときに
もう座席のクッションがクタクタでスプリングの感触がお尻に当たっているみたいな
それはそれは何とも味わい深い感じに仕上がっていたのだけれど
作品世界のノスタルジアと劇場の風情がたまらなくマッチして
そんな環境でこの作品を鑑賞できたのは
個人的な映画体験の中でもハイライトのひとつになったのです
(そのときにカットバージョンを初めて観たのでした)
それ以前に何回観ていたか最早分からないけど、そのときが一番ボロ泣きしていました

アルフレードー、ベリーッシモー!