Ken

ニュー・シネマ・パラダイス/3時間完全オリジナル版のKenのネタバレレビュー・内容・結末

4.5

このレビューはネタバレを含みます

「ニュー・シネマ・パラダイス」

"99日でやめれば、王女は自分を待っていたと思い続けられる"

"村を出ろ、ここにいると自分が世界の中心だと感じる。"

"自分のやることを愛せ"

"これからも恋はいくつもする。だが彼の将来は一つだ"

友情と愛情を素晴らしい音楽と共に観せてくれる。これぞ良い映画ってやつ。


毎日賑わう映画館にはたくさんの人生が集まっている。
子供から大人まで、時には笑い、時には泣き、時には興奮する。人によって感じ方は違うけど、それをひっくるめて人生であって映画の良さでもあるんだな。とパラダイスに集まる人々を観て感じた。


様々な形で映し出される愛が素晴らしかった。
トトの周りには愛が広がっていて、アルフレードからの愛や母親からの愛、村の人々からの愛やエレナからの愛。
当時は愛に感じなかったことも、時間が経ってから思い返すと愛を感じることは人生の中でたくさんある。
そんな様々な愛情の形が表現されている作品だった。
例えば、エレナの両親がトトとエレナの交際に反対をしたのも愛情があるからなのだ。娘に幸せになってほしいという想いが娘にとっては邪魔で憎む対象になってしまう。
エレナの伝言をトトに伝えなかったアルフレードの行動も、トトが夢を叶えるためにアルフレードがやった愛故の行動なのだ。
お節介かもしれないが、人生の中に愛はいろんなところに隠れてるのかもしれない。


ラストシーン
最後にアルフレードがトトに残したフィルム。
そこには検閲で切り取られたいろんな映画のキスシーンが繋げられていた。
「キスシーン= 愛」だと感じた。つまり、アルフレードは最後までトトに愛を注ぎ残したのだと思う。
エレナと恋を続け、村から出ずに一つの世界しか知らないと映画は作れない。そう思ったアルフレードは友であり、息子のようでもあるトトに嘘をついた。
その結果トトは映画を作り成功している。
このアルフレードの行動が正解かはわからない。(トトはエレナのことを忘れられずに何か欠けていると感じているから。)
だが、正解がないのが人生なのだとも思った。
そこに愛情を感じたならそれで良い
Ken

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