しー

ニュー・シネマ・パラダイス/3時間完全オリジナル版のしーのレビュー・感想・評価

5.0
この映画、理解するのに3ヵ月かかりました。近くのツタヤに3時間版が無くて遠くのツタヤに行くのがめんどくさかったからですが。

3時間版を見て、私なりに理解できたから思うのは、2時間版では全く意味が繋がらない、ってこと。
大人の事情でこんなことになったのはしょうがないかもしれないけど、いつまで2時間版を世の中に放っておくんだろう。本当の意味を理解しないまま感動したりオールタイムベストに挙げたりする人が減らないと、この映画の大事なメッセージがいつまでたっても理解されないじゃない。

これは、所謂難解映画と同じで、頭を使って考えるべき映画だと私は思う。これだけ劇中に違和感を挿入してあるのに、表面上のトトとアルフレードの友情に感動して終わり、なんて無責任じゃないかと。

劇場が教会と繋がってるように見えるのは何故か、映画を見ている人のアップが映るのは何故か、彼らは何故お行儀が悪いのか、何故トトは振り返ったのか、ライオンの意味は?パラディソの意味は?火事の意味、劇中劇の意味、アルフレードの言葉の意味、壁に貼られたブロマイドの意味。何故トトはタブーを犯すのか。そしてアルフレードの奥さんの存在。

こんなにたくさん違和感を詰め込んであるのは、ただ一つの真実に気づいて欲しいからに違いないのに。そこに真実は語られているのに。

この映画をちゃんと理解して、アルフレードの人生のために涙してくれる人が増えるといいな、って心から思う。

アルフレードの兵隊の話しの意味は、どんなに愚かな人でもその事について100日考え続ければ真実が見えてくる、って事だ。この映画の意味を理解するのに3ヵ月かかった自分を見透かされてるようで、ちょっと恥ずかしい。
しー

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