再鑑賞
名作『フレンチコネクション』の続篇。
『フレンチコネクション』が名作だったゆえに、どうしても世間の評価が下がるのは仕方ないことだが、ジーンハックマンが直々に依頼したという監督、フランケンハイマーらしい力強い演出が際立ち、個人的にはなかなかの秀作だと思っている。
前作はフランスから密輸される麻薬ルートを叩き潰した実在の刑事達の実話を映画化したものだったが、本作のストーリーは完全フィクションである。
しかし、ジーンハックマン演じるポパイことドイル刑事の狂犬ぶりは健在だ。前作で取り逃した麻薬組織のボス、シャルニエ(フェルナンドレイ)を追って、マルセイユへ渡ったポパイは、麻薬課の刑事アンリ(ベルナールフレッソン)と合流し捜査を進めていく。
フランス語が分からないポパイが異国の地で苦労する様子と、フランス語にわざと字幕をつけなかった所がうまくマッチしてて良かった。そうすることにより、ポパイの困惑ぶりにリアリティが出る。
ポークパイハットとブルーの柄シャツにスーツが正解かどうかは分からないが、破天荒で執念深くなんとも味わい深いポパイというキャラクターがとにかく見事だった。大好きなジーンハックマンという俳優の魅力を再認識した。
以下ネタバレ注意⚠️
異国の刑事アンリとソリが合わず、最初は言い争いばかりだったが、ヘロイン漬けにされてどん底を味わったポパイを救ったのは紛れもなくアンリだった。
また溺れたアンリを命がけで助けたポパイの姿も…2人にしか分からない確かな友情を感じる刑事ものは大好物なんでかなり胸熱。
そうして、最大の見どころであるラストシークエンスへ。
路面電車に乗って逃げたシャルニエを自分の足で追うポパイ。ヘロヘロになりながら、ゼイゼイ言いながら、足を引きずりながら、彼は諦めない。
一度は見失うも刑事の勘が、ちょうど港を出た一隻のヨットを捉える。この時のジーンハックマンの目に惚れる。この執念深さよ!
ヨットをまた足で追うポパイ。
勘は当たり、逃げ切ったと思ったシャルニエがヨットのキャビンから姿を現す。
片膝を立ててピストルを構えるポパイがシャルニエを捉える。
ズドンと2発。ピストルの音で終了。説明は要らない見事な幕引きに痺れること必須。