Pnori

クローバーフィールド/HAKAISHAのPnoriのレビュー・感想・評価

3.6
新たなPOV撮影手法が出てきた(当時)

SF怪獣映画で逃げ惑う脇役な人々が中心になるお話で、着眼点が面白いし、それをPOV方式に持っていった発想がお見事。いや、逆か。POVだからこその蟻視点。

ホラー系とは違い、閉鎖空間ではなく画面も明るい。だから見やすいかと言えば手ブレが酷く大事な所は見づらいし見えない。ちゃんと見えたかと思いきや、上手く本筋をずらしてチラ見せしているというのが非常にあざとい(笑)

ストーリーは薄いので中だるみが多く、少々イライラする。これはカメラ視点を動かせない為に同じ視点を延々と見せられることを強いられるPOVの宿命だから仕方ないかな。

ラストはさぞかしスッキリさせてくれるだろうと思いきや、本編はこの後すぐ!で終わる。 (笑)
最後まで観てもスッキリしないが、全部解決するより余韻が残ると言われればそうかもしれない。
悪く言えば続編を見越しているのがミエミエ。
まあ、期待してもいいくらいの斬新さはあったと思うが。

ここは思い切って中だるみの分をカットして短編映画にし、潔く初めから続きものする。出し惜しみしつつ短いスパンで続編を次々公開して話題性を引っ張るとか。あくまでも個人的妄想ですが(笑)

内容はともあれ発想はとても面白いと思った。
POVで出来る可能性を広げ、新たな世界を切り開いてくれた映画である事は間違いない。
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