Pnori

チェイサーのPnoriのネタバレレビュー・内容・結末

チェイサー(2008年製作の映画)
3.4

このレビューはネタバレを含みます

暴力的な主人公+凶悪サイコパス+無惨な被害者+無能な警察(+実在した事件)

このセットは韓国映画では割と典型的なパターンなんだけど(コレが典型的とかそれが怖い)、面白いと思って観てしまう自分も怖かったり。

それはさておき…
容赦なくこれでもかと救いようのない展開は、韓国映画お馴染みだとはいえやっぱり心が痛い。本当に観ていて辛いし残念。

そこまで感情移入させちゃう良作が多いのは本当にスゴい!(こういう乱暴な話にそう言って良いかはまた別の話ね)

ただ、犯人がわかってる系のギミックにしては少々粗が目立つ。
犯人の家が車を駐車した場所から徒歩5分の範囲だ!とか後半になって気づくわけで、普通に考えたら1番最初に潰していくものだよね。
過剰なアクションやバイオレンスも好みが分かれるところ。

その辺がちょっとイラッとしたけど、もはやそれをも凌駕する陰惨な展開で押し切ったのは、俳優陣の鬼気迫る迫真の演技の賜物。
さすがとしか言いようがない。

所々にピンポイントで挟まれる犯人の過去を思わせるシーン。グロテスクなキリストの壁絵や弟の子供の姿を見た時の衝撃!例えそれが演出だとしても、底の見えないその闇にーも深さに背筋が凍る恐ろしさを感じた。

日本の綺麗な女優さんもイケメンの俳優さんも、頭カチ割られて血まみれになって殺される役とかボコボコにされて顔がカオスなった役とかやれば演技力向上するんじゃない?って思ったり(はいごめんなさい)。

どの国にもある同じ闇。
需要と供給がある限り、無くならないのが悲しい現実。
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