イチロヲ

SPUN スパンのイチロヲのレビュー・感想・評価

SPUN スパン(2002年製作の映画)
3.5
違法ドラッグを追い求める青年が、売人を取り巻く人間関係に取り込まれしまう。ドラッグに翻弄される人間たちの支離滅裂な言動を「滑稽なもの」として描いている、ストーン・コメディ。アメリカとスウェーデンの合作。

監督がミュージック・ビデオ出身者のため、小賢しい演出が随所に盛り込まれている。しかし、ドラッグを題材にしたジャンル映画と、MTV的な演出の相性が良いこともあり、それほど大きなノイズにはなっていない。

本作の醍醐味は「最低な人間しか登場しないところ」にある。ほとんどの台詞が、Fワードと下ネタにまみれており、その言動を逆手にとったギャグも登場する。アニメ合成を用いたトリップ描写も印象的。

演者のラリラリ演技もまた堂に入っており、とくに主人公の挙動不審な動きが、清々しいほどに気持ち悪い。また、メタンフェタミン密造者のミッキー・ロークが、プロレス中継ばかり見ているため、後の「レスラー」との繋がりを想起させられる。
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