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スタア誕生のesのレビュー・感想・評価

スタア誕生(1954年製作の映画)
3.9
このバージョンが一番好きかもしれない。冒頭辺りの強引さは今観るとちょっと違和感があるけれど、それ以降のやり取りの描き方は一つのシーンに何重ものドラマを描いていて良い。
音声しか残っていないカットされたシーンの繋ぎ方が苦肉の策とは思えないくらい斬新で面白かったけれど、叶う事ならばオリジナル版を観てみたかった。

主演二人が絶妙に愛着が湧き愛しくなるキャラクターを見事に演じている。
ジュディ・ガーランドの魅力的な厚みのある歌声、チャーミングな表情や仕草。
ジェームズ・メイソンの自信家でニヒリストでどこか寂しげで、好きなものには子供のように目を輝かせる。
二人の見事な演技が役柄に説得力を与えていた。

アルコール依存になった明確な原因を示すのを避けた事で、依存症患者とその家族の姿が時代を経ても身近に感じられた。時代を考えると第二次世界大戦の影響も少なからずありそうだなとも思うけれど、明言されていたら"過去の話"として線引きしてしまっていた気がする。

受賞時の衣装が素敵。
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