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パリ20区、僕たちのクラスのcrispのネタバレレビュー・内容・結末

パリ20区、僕たちのクラス(2008年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

最後まで見てしまった。
どうだろ、途中でやめてしまうかな?と心配しながら再生ボタンを押したけれども、いつの間にか見切ってしまった。
というか、辞めるタイミングがなかった。
や、辞めるタイミングだらけだったのかもしれない。
そう、だから逆に、ここだ!という決定的な辞めるタイミングはなかった。

日本で言うと学級崩壊に近いようなクラス。
あっちが騒げばこっちが騒ぐ。大人しい時間がない。
毎日毎日あの状態は、誰もがノイローゼになるだろう。
中学生。子供でもあるけどもう半分大人でもある状態。
そして一番憎たらしさも出る状態。
あそこに登場する教師陣と同じようにイラっとしながら笑、どうすることが彼らにとっていいんだろうと考えていたな。
罰を厳しくする?厳しすぎるのは逆効果?
どんなパターンでも効果がなかったり。
担任しんど〜〜〜〜って見てて思う作品。笑

でも実際、20区あたりではこういうのがリアルだったりするんだろうな。
先日パリに行ってきたばかりだけど、バスでこのあたりの地区を通ったけど
THE観光地中心地であるエリアと、え?別の国?ってくらい雰囲気が違うし治安が良くないのが見てわかってしまう感じだった。
途中怒り心頭の教師が「勉強しないとあの地区から出られないままなのにな!」と言っていた。私もそう思った。
こんな状況で過ごしていたら、大人になっても同じようになっちゃうだろうになと思った。でも彼らはそういう暮らしをしていることが普通だから、今の暮らしから脱しよう!とはそれほど強く思わないのだろうか。環境がそうさせるのだろうか。とりあえず、この環境では勉強なんてできない・する気になれないだろうな、とは思った。

スレイマン。
写真+コメントをつけて印刷する、みたいな時間はとても嬉しそうだった。
ああいう姿を見ると教師としてもこの子をなんとかしたいと思うんだろうな。いいところを褒めて伸ばしていきたいって思うんだろうな。

連鎖的に悪いことが起こることがある。
確かに悪い発言をしたけれどそういう言い方じゃない。みたいなちょっとした訂正は難しい。言ったことには変わりないからその部分が大きく膨らんでいく。あの感じ、見てていや〜な気持ちになったなあ。自分がやったことなんだけど、うわあ....やばぁ....ってもう立ち止まっちゃうような。

スレイマンが居なくなった後のクラス。
円滑に授業が進んでいるようだった。
それもちょっと切なさがある。
担任自身もスレイマンを100%悪い生徒とも思ってない、でも手を焼いていたのは事実。難しい。

同じ人種だけがいるクラスでも円滑に進めるのは難しいのに
そこにいろんな人種のいる状態って、ほんと大変そうだなと感じた。
ゴチャゴチャだった。
小さい地球だった。すべてを一緒にしてまとめるのは難しいのかもしれない。何もかも一緒にすることが=PEACEではなく、ある程度グループ分けすることもPEACE、平穏を保つためには必要なことなのかもしれないな、と見てて思った。
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