papanda

カルメン故郷に帰るのpapandaのレビュー・感想・評価

カルメン故郷に帰る(1951年製作の映画)
4.0
日本初の総天然色映画。デジタル修復版で見た。何回も見ている映画だけど、今回は色がきれい。リリー・カルメンの底抜けに陽気でお人好しなところがいい。村の人たちは小狡い奴とか金の亡者みたいな奴とかもいるけれど、基本的に悪人はいない。やたら「芸術」とか「文化」とか言うけど、なんとも軽薄な感じが当時の風潮の描写だろうか。カルメンのお父さんの気持ちとか、いかにも松竹大船調で安心して見られた。それにしても雄大な浅間山の自然、村の佇まいや小学校は今はどうなっているのだろうか。ロケ地を巡ってみたい。
日本初のカラー映画ということで撮影はたいへんだったそうだ。フィルムの感度の関係でものすごくたくさんの光を当てなければならなかったので、高峰さんの髪油から煙が出たとか。ワンシーンのカット割りが少ないのもそのためだろう。同時に撮影されて地方で公開された白黒版と比べてみたい。
papanda

papanda