ニャーすけ

ZOOのニャーすけのレビュー・感想・評価

ZOO(1985年製作の映画)
1.9
「ピーター・グリーナウェイ レトロスペクティヴ 美を患った魔術師」より1本目。

死骸や糞尿、性器などの露悪的な描写の中に美を見出すグリーナウェイの作家性が端的に伝わる。
とはいえ、上記のような矛盾した耽美趣味は後世のフォロワーにパクられまくったことで、その元祖であるはずの本作がよくある退屈なステレオタイプに見えてしまうのは皮肉だ。こういうことは珍しくなく、例えば『ブレードランナー』が確立したサイバーパンクの世界観は、今や『名探偵ピカチュウ』の作中ですら見られるほど大衆化している。どれだけ歴史的に偉大な傑作だとしても、時代と共にその革新性が風化していってしまうのは避けられない。
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