1937年の春。ケイティー(バーブラ・ストライサンド)とハベル(ロバート・レッドフォード)は同じ大学で勉強していた。
ケイティーは政治活動に熱心で、ハベルは作家志望。
やがてハベルは軍隊に入隊。
2人は卒業後、第2次世界大戦中のニューヨークで偶然再会し同棲生活を始める。
ケイティーは相変わらず政治活動に熱心だったが、ハベルは興味を示さなかった。
そして、ハベルは除隊し2人は結婚する。
そして、ハリウッドに移住しハベルは作家として成功しケイティーは妊娠する。
収入も安定してきて、生活も落ち着いてきた。
しかし、ハリウッドの赤狩りにハベルも巻き込まれることになり、政治活動をしているケイティーとの関係も微妙なものになってきて2人は別れる事になる。
そして・・・
左翼活動家のケイティ―と、海軍大尉にまでなったハベルとはもともと水と油なのだが、全力で演説をしているケイティにハベルが恋をしてしまうのはよくわかる。
思想信条を破壊してしまうほどの輝きがケイティにはあった。
若い時のきらめきが繋げた恋は表面的なのだが、
この作品の二人は痛々しいほど内面を理解しようとする。
赤狩りを恐れて浮気をしてしまうハベルを非難する人もいるだろう。
その当時の赤狩りの恐怖は、私の世代では文献等を通じてしかわからないが、作家として成功を収めようとしていた彼が、ウォルト・ディズニーやエリア・カザンを敵に回すことは想像以上の恐怖だったに違いない。
マッカーシズムが過熱していくと同時に、ケイティの政治的情熱が比例して高まっていくのは彼女の信念だから仕方ないこと。
そして、それに冷めていくハベルの気持ちもわかる。
マッカーシズムの嵐が吹き止んだ頃に再開する二人。
愛しあった日々の想いが焚火の残り火のように残っているが、
二人は最後に本当の自我に従う。
ここでまさに、
“The Way We Were”がここで意味を持つことになる。
交わることのできない二人が出会ってしまった。
燃え上がった恋は幻だった。
愛ではなかった・・・
主題歌はやっぱりいいですね。
アカデミー歌曲賞を受賞しています。
最初のフレーズだけでシーンを思い出すことができる名曲だと思います。