Tenjin

コクーンのTenjinのネタバレレビュー・内容・結末

コクーン(1985年製作の映画)
3.2

このレビューはネタバレを含みます

つい先入観で子供が異星人と交流する話かと思ってたら、まさかの老人たちが主役の話でした。まあ、某インディペンデンス・デイみたいに世界の危機というわけではなく、彼らは仲間を連れ戻しに来ただけなので血の気の多い年代が登場する必要はないのかもしれませんが。
若さを取り戻した老人たちが遊びに興じる、特に恋愛的行動を真っ先に行うのはいかにもアメリカ的な感じがします。日本なら仮に若者同様の活力を得ても、外聞が気になってそこまで派手にはやらかさないのではないでしょうか。元々、夫婦間の愛の表現が直接的ではない傾向もありますしね。
最後に彼らが取った選択は自分にはむしろ意外に映りました。てっきり、一時の夢として若さを取り戻した時期を捉え、元の現状に回帰すると思っていたので。個人的には、妻を失いながら一人だけその選択をしたバーニーさんに親近感を覚えました。
残された人たちが海で葬儀を執り行うシーンを見ると、異星人と一緒に永遠に近い生を送るというのは、他人から見れば死の世界に旅立ったのと同じであって、宗教的な「永遠の魂を得る」という言葉そのものでもあります。そういう意味では、彼らが取った行動は一種の集団自殺とも言えるのかもしれません。
余談ですが、異星人のリーダー、ウォルター役のブライアン・デネヒーは「ランボー」の保安官役として、強面で頭の固い人物のイメージがあったので、割と物分りが良い今回の役はちょっと違和感がありました。w
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