Maoryu002

アニー・ホールのMaoryu002のレビュー・感想・評価

アニー・ホール(1977年製作の映画)
3.6
ウディ・アレンによる風変わりなラブコメディ。
最初観たときは面白さがわからなかったが、年を取って2回目、3回目と観る度に面白くなってくる。

映画としての作りの面白さには最初から驚かされた。突然、こちらに向かって話しかけてきたり、過去の映像に入り込んだり、アニメの世界に切り替わってしまったり。
そんなチャレンジングな手法のおかげか、こちらもウディ・アレンの語りに興味がわき入り込んでいく。

深そうで意味のない会話や、他愛なく見えて意味のある場面は、どれもが人生の多様さを感じさせるためのセリフに思える。
ある特定のメッセージを伝える映画ではないただろう。だから面白くないと感じても不思議はないし、逆に大傑作に感じる時があるかもしれない。

主人公アルビーはちょっと神経質で偏屈な男だけど特別ではない。アニーだってそうだ。そんな男女の関係を通して、恋愛の一つのかたちを見せて、人間関係の一例を見せてる。人が人に作用して、愛したり、傷付けたり、人生を変えたりしていく。人生や人間関係って面白いと思わせるような映画。今回、自分はそんなふうに感じた。

人間関係もどうなるかわからないし、何が本当に幸せかも明確じゃない。そんな映画の終わり方が最高だ。

劇中、「恋愛は鮫と同じで前進していないと死んでしまう。」ってセリフが好きだった。そのとおり!
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