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東京裁判のmiyoyoのレビュー・感想・評価

東京裁判(1983年製作の映画)
5.0
高校時代サラッと流すだけしか学んでこなかった近現代史を、明治維新以降日本が歩んできた軍国主義の道、激動の世界情勢を時系列を追って見ることができる貴重なフィルム。
そして軍国主義から民主主義へ180度変わるきっかけとなった敗戦。日本の大きな転換期のこの「東京裁判」見応えがなかろうはずがない。

写真でしか見たことのなかった東条英機が答弁に立つ。
「驚いたと言えばそうでもあり、驚かなかったとも言える」とか、「反対意見ではなく対案である」とか、真正面から向き合わずはぐらかす姿に今の国会議員の源流を見た。しかし最後に「責任があると思うか」との質問に「当然です」と答えたところに東条の覚悟が見えた。

インドのパル判事の理論もわかるし、アメリカの弁護人が原爆を落とし、それを指示した者の罪を問わないのはおかしい、という理論ももっともだと思う。
でもだからといって罪を問われている28人を無罪にする理由にはならない。
戦勝国が敗戦国を裁くことにも疑問は残るが、日本人だけの手で総括することは不可能であったと思う。
そしてその戦勝国がその後も数々の「平和に対する罪」を犯し続けている矛盾。

戦争に正義はない。
戦争は絶対悪。
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