なちゅん

いまを生きるのなちゅんのレビュー・感想・評価

いまを生きる(1989年製作の映画)
4.2
例えば選択肢に自由がなくても、行動に自由がなくても、心だけは、思考だけは気高く自由にあれ。

規則が厳格な全寮制の男子校で縛られて学ぶ少年たちが思考の自由を得て精神的に巣立っていこうとする姿がうつくしい。
無垢で、純真で、無鉄砲で大袈裟で、素直で優しくて、傲慢でバイタリティに溢れた彼らの一瞬一瞬の表情が本当にすてきで泣いてしまう。
残念だけど大人は汚いね。校長先生は立場的にも職種的にも有り得る汚さだったけど、ニールの両親なんか酷かった。原因が自分達にあると1mmも分かっていない、想像さえしない。あるいは分かってての行動だとしてもひどい。ああいう関係性での1番の悪は傍観者に徹している母親。あれは自分の身を守っただけで、息子を売ってる。

こういう作品でのどちらかといえば悪である親や先生の世代に近づこうとしている私だけど、どうしても心を動かされるのは子供の側で、大人って汚いよねと思ってしまう。私だって良い大人なのにね。
いつまでもこんな、ふらふらとどっちつかずな精神年齢なままなのかしら。
なちゅん

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