Saki

いまを生きるのSakiのレビュー・感想・評価

いまを生きる(1989年製作の映画)
3.7
「いまを生きる」ことを教えてくれた先生が何人いるだろうか。
少なくとも私にはそんな先生(教授を除く)が2人いることを幸せに思う。

1人目は小学1,2年生の時の先生で、島で育った私たちはプールの時間に海に行くことができたし、家庭科の時間に地域のおじいちゃんおばあちゃんを呼んで"ところてん"や"海苔"を作ったりした。
他にも、図工の時間には「飛ぶもの」というざっくりな課題を与えられイメージ広げから始まり、私は「雛人形」を作ったのだった。
(きっと脳内ロジックがそのように解釈したのであろうが)雛人形を作り上げたその日には頭がやけにボーッとしていて、図工の次の昼休憩にはぶっ倒れてしまい、今までにない高熱でインフルエンザが発覚。
私自身がぶっ「飛ぶもの」となったのだった。

話はさておき、2人目の先生は中学3年間の社会科を担当していた先生だ。
この先生の授業では、映画の中の先生のように授業中教科書を1ページも開かなかったのだ。
授業中は最初にプリント(勉強したページが記載されており、帰宅してから教科書と照らし合わせることができる)が配られて、火打ち石で火起こしを体験したり、色々な土器を並べて時代や種類を見極める話をしたり、多種多様な地図、地球儀、詩(書籍)、映画を観ては国同士の戦争の話や宗教の話をしたのでした。
唯一授業中に教科書を使うのは試験期間中の授業のみ。
分からない部分を生徒が質問し、前後の流れを教科書を使って先生が答えるというものだった。

このような先生に教わったことが、直結して今の私に大きな影響を与えたかというと、決してそうではない。
しかし、このような先生がいたからこそ発想の転換力や、考える力、思想の持ち方、表現の仕方の基礎を学んだように思う。
義務教育時期には不敵な教育だと言う者も出てくるであろう。
だが、小中(何なら高校も)全く同じクラスで全く同じ先生の元で授業を受けた幼馴染がいるが、彼は普通の大学を出て普通の仕事をしているから安心してください(異常なのは私だけ)

結局、判断して自分の人生を切り開くのは自分自身です。
以上。
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