「エルミタージュ 幻想」
豪華絢爛なエルミタージュ美術館を舞台に、過去と現在、現実と幻想が交錯する時間旅行。
ロシア300年の歴史を、まるで絵巻物を読んでいるかの如く体験するツアー映画だが、その場面ごとに明確な説明があるわけではない。
なので、この映画の「中身」を理解しようとするならば、かなりの勉強が必要である。
しかし、美術館という100あれば100すべてを解説してくれるわけではない場所で、絵画を自分なりに解釈するという行為をコンセプトにした作品だと思えば、映像を眺めているだけで十分楽しめる。
何より驚愕の90分ワンカット映像に圧倒され、物語を詳しく考えているような余裕はないかもしれないが。
「かつて無い映像体験」という謳い文句がぴったしな作品で、紛れもない傑作なのだが、映像に字幕が追いついておらず、大衆の中で誰かが話している場面では、誰が話しているのか、また誰の台詞を字幕にしているのかが迷惑にわからないのが残念だった。