エルミタージュ幻想の作品情報・感想・評価

「エルミタージュ幻想」に投稿された感想・評価

なんとも優雅で素晴らしい映画。数世紀前からのロシアの記憶を思い起こしながら豪華絢爛なエルミタージュ美術館での撮影、19世紀設定の数千人のエキストラが圧巻の、極上の映像を魅せていく。ゆらゆらと滑らかに浮遊するかのようなカメラが舞踏会で踊る貴婦人たちを抜けてオケを映した時のカタルシス、音楽…! そして、ラストのうら寂しい余韻が美しかった。 …というか、ストレートに格好よかったな。
件の美術館の建築物としての美しさに魅了される。
ロシア文化史に明るくないので内容は掴みきれないんだが、終盤の舞踏会からラストまでのカメラが最高に良い。これは序盤の陰影の深い画面と対照的なのが効いてるのかもしれん。
それにしても舞台から去っていく貴賓たちを追うカメラどうやって撮ってるんだろう。
てか前から思ってたんだけど、これ各国で撮っても面白そうだよね。
芋

芋の感想・評価

3.7
諦念に満ちたモノローグと人物の間を浮遊するように写すカメラに自分がまるで幽霊になったかのような感覚を覚える。
一人だけカメラの存在に気づいている黒服の男が、皆から微妙にウザがられてるのがなんかよかった。
しかし4割くらい寝てしまった。
90分ワンカットは見ていて疲れるが、それに見合ったラストが訪れる名作
初見は情報なしの方がいい
この映画の主役は在りし日のロシアですね
sonozy

sonozyの感想・評価

3.8
2002年、ロシアのアレクサンドル・ソクーロフ監督作。
英題は「RUSSIAN ARK(ロシアの箱舟)」
シアター・イメージフォーラムにて。

世界最大所蔵品数300万点以上!というエルミタージュ美術館の館内を縦横無尽にHDカメラで90分全篇ワンショット!で撮りあげた作品。

19世紀のフランスの外交官役の黒服の男(セルゲイ・ドレイデン)と監督との声のやり取りをはさみつつ、ロシアの数多くの歴史上の出来事を刻んできたエルミタージュの各部屋を巡ってゆく。

邦画タイトル通り、幻想の世界にゆらゆらと入り込んだような...(という訳でところどころ寝てしまったようですが。。笑;)時間です。
歴史に詳しければもっと楽しめたかも。

とにかく90分間、よくもワンショットで撮れたなぁという撮影監督ティルマン・ビュットナー氏に拍手!
映画を見たというよりはとても美しく摩訶不思議なオルゴール箱を開けてずーっと眺めていたような感覚。ワンカットの効果か自らの体験に近いと思った。鑑賞後、道を歩いている間もあのフワフワとした浮遊感が残っていた。
koms

komsの感想・評価

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観たいと思って16年、念願の鑑賞!
ただただ豪華な映画のだと思っていたので良い意味で面食らい。フィルムのアンダーなザラザラ質感が妖しくてまた良き。
単純に、ワンカットで撮りきったのがすごい。
時間と金がかかっていそうですごい。
タイムスリップしてきた?幽霊の視点というのも良い。
ところどころ寝たけど観て良かった。
NHK、またこういう映画に協力するんなら納得の上で金払ってやるよ。おわり
大越

大越の感想・評価

3.3
これ単純に失敗作じゃね?

96分1カット。初1カットもの。初ソクーロフ。

自分の無学さによって理解しきれてないところもあるのだろうが(ロシア史や種々の西洋絵画のバックグラウンドに詳しければたぶんもっと物語が増幅されるはず)、それにしても映画的な喜びが薄い。
やはり1カットものは難しいのだろうな。

扉の開閉の強調により1カットの連続性を区切る発想の効果は、部屋ごとに時代やテーマが異なる美術館という舞台の特殊性によって倍加する。それでもしかし物語の平坦さを隠しきれない。

一度も映されず登場人物に知覚されることもない主人公は、歴史の傍観者としての鑑賞者の僕たちなんだろうね。
社会主義リアリズムをロマノフ王朝からのロシアの体質にその起源を見出して批判したり、準主人公をフランス人と言い切らずにヨーロッパの象徴のままにしたり、そういうところのクレバーさは素直にすごいなと思う。

個人の束としての歴史の河が不可視な未来たる海へと解放されるラストは、今になって感動してきた。
床ずれ

床ずれの感想・評価

4.8
幽霊の視点で、壮大なロシア史の宴の中を96分間ノーカットで踊り歩いてゆく。時間の蝶番が外れてしまった「箱舟(ark)」。「未来のことはよく知っているが、過去のことはわからない」
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