マーくんパパ

ラスト・シューティストのマーくんパパのレビュー・感想・評価

ラスト・シューティスト(1976年製作の映画)
4.0
この映画は公開当時に観るよりもJ ・ウェイン死後に観た方が感慨深まる事間違いなし。ガンに冒されこの公開3年後72才で世を去ったウェインの遺作。強いアメリカの象徴だった男の終末期とダブらせた内容、伝説のガンマンが友人の医師に診てもらう為に町にやって来て余命幾許もない事を告げられる。次第を打ち明け未亡人の下宿に世話になりながら自分を英雄と慕うその息子に銃の手ほどきしたりして最期の時を過ごすが病魔に朽ちる前に最後の一仕事に立ち上がっていく…。颯爽と登場した『駅馬車』リンゴ・キッドの40年後、アラン・ラッドの流れ者『シェーン』の30年後の姿とも思われ、座るのも歩くのも辛そうな一挙手一投足がしみじみと胸をうつ。ウェイン自身が皮肉にも役柄と一番マッチしている事を自覚しているであろう朽ち果てる前の老境ガンマンの自然な演技。どの勇壮な過去の作品より滋味深いこの作品がいい。