ワーニャおじさん

ブレードランナーのワーニャおじさんのネタバレレビュー・内容・結末

ブレードランナー(1982年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

サイバーパンクの始まりがこれなら、もう何も勝てないよ、、、!


とにかく美術が素晴らしすぎる。車、建物、ネオンサイン、全てが現在のサイバーパンク文化を作っていると分かる。
車かっこよかったな、旧車のようなシックなセダンの雰囲気を残しつつ、パワータイプのガタイの良さがロボ感強くてすごく良い。中華街(アジア街?)の風景、和装女性のディスプレイや日本語のネオンサインが夜に映えていてとても綺麗だった。
美術担当の努力すごかったんだろうな、CGはそんなに使ってないと聞いたんだけど、どうやって作り上げたんだろうか。迫力あるサイバーパンクの世界を広めの広角で見やすくしていて、正直セリフやストーリーよりも背景ばかり見ていた。
さすがに現在の近未来作品に影響を与えすぎている。ミュシャの展覧会の時もそんな気持ちだったことを思い出した。

ロイの最期、死期を悟った彼はデッカードに何を託したのか。自分は人間だと思いながら生きてきたのに、その記憶は全く違う人間のもの。勝手に造られた、寿命の短い命が終わりに達しようとしている。そりゃヤケにもなる、クーデターも起こすだろう。それでも、造り出された後に生きてきた記憶は紛れもなくロイ自身のもの。
造られたレプリカントだけど、自分の人生は存在している、その事を覚えていてくれ、と託したかったんじゃないかなと思う。だからデッカードも、寿命が僅かであろうレイチェルとの最後の生活を、彼女の人生を幸せなものにするために一緒にどこかへ行ったんだと思う。

シド・ミードすごい〜〜もっと早く知ってたら去年の画集再販に間に合ったのにな。