『悪魔が来りて笛を吹く』の西田敏行の金田一耕助を観た流れで本作も初鑑賞。
本作の金田一耕助は鹿賀丈史(当時30歳)
西田敏行も鹿賀丈史も二人とも当時の高橋玄洋脚本の人気TVドラマ『三男三女婿一匹』シリーズ出身という共通点があり、後にNHK大河『翔ぶが如く』で西郷隆盛(西田)と大久保利通(鹿賀)としてW主演しているのも何かの縁?
本作は横溝正史の最後の長編小説で、金田一耕助シリーズとしても最後の作品。
製作はやはり角川春樹で横溝ミステリー最後の集大成にするという意気込みで最高のスタッフ・キャストを集めたとか。
監督は篠田正浩、悲劇のヒロインにはその奥方の岩下志麻(当時40歳)。
出演は当時の若手として古尾谷雅人(当時24歳)に岸本加代子(当時20歳)。
重鎮クラスは佐分利信に伊丹十三。
他に中尾彬、石橋蓮司、多々良純、根岸季衣、室田日出男(磯川警部)。
公開後40年以上経ってるのでさすがに皆さん若い。
本作には『八つ墓村』でもお馴染みの双子がなんと3組(岩下+岸本+α)も出てくるだけでも、ある意味横溝ミステリー集大成と言えるかも知れませんが、角川春樹(例によって本人も出てます)の意気込みはカラ回りだったようで、交通整理が上手くいかずいろいろと中途半端な印象の作品になったのは残念。
金田一を演じた鹿賀丈史も多くの痩せ型優男風の金田一役者のイメージを踏襲したため、さほど個性は感じられず。
関係ありませんが“キャプテン・ウルトラ”こと中田博久が『悪魔が来りて~』と本作の両方にチョイ役で出てましたね。
公開時のCMにも流れて印象的だったビートルズの“Let it be”と“Get back”は使用権が切れて、現在は別歌手によるカバー版に変更されているようです。
しかしジャケ写がボケボケで鹿賀丈史が悪霊みたい・・・
ちなみに、横溝正史は本作公開の3カ月後に亡くなっています(享年79歳)。