さくらもち

レナードの朝のさくらもちのネタバレレビュー・内容・結末

レナードの朝(1990年製作の映画)
3.3

このレビューはネタバレを含みます

ロビン・ウィリアムズのあの優しい眼差しはいつ見ても私の心をぎゅっと締め付ける。そういう優しさと切なさと悲しみを秘めた眼差しと微笑みにじっくり浸れた映画。

精神病棟のお話というとどうしても『カッコーの巣の上で』を思い起こしてしまう私には、この病棟に勤める人々の優しさが素直にうれしいなあと思った。レナードの回復動画を演説したときも皆が感動してお金を援助してくれたり。

病気にも回復にもみんなの優しさにも驚いていたので、最後にこれが実話に基づくストーリーと知ってもっと驚いた。

私は不安だった。回復しても失われた過去に絶望する人もなかにはいるのではないかと。けど、蓋を開けてみればみんな現在を”いきる”ことに喜んでいた。病気が悪化するレナードに対し優しく接して、レナード自身は自分が実験対象になると身を乗りだしてくれた。

そういう私の不安さえ包む優しい世界だった。

セイヤー先生に叱咤するレナードの言葉が胸に突き刺さる。
「孤独で何もない生活、眠っているのはあんただ!」と。
いままで何をしてきたのかと。

「皆、生きることの素晴らしさを忘れてる。持ってるものの尊さを教えてやらなきゃ。人生は喜びだ。尊い贈り物だ。人生は自由で、素晴らしい。我々は感謝の心を忘れてる。」

だから、ラストのセイヤー先生のように踏み込む一歩を。

余談
最近『ジョジョ・ラビット』を観たので、リルケの豹がでてきて嬉しかった。
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