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SCOREのdaiyuukiのレビュー・感想・評価

SCORE(1995年製作の映画)
4.6
東南アジアの某国。州立刑務所から一人の日本人が仮釈放になった。彼の名は、チャンス(小沢仁志)。名うての強盗である。彼の釈放は“大佐”(宇梶剛士)と呼ばれる組織のボスが裏で操っていた。チャンス出獄に多額の保釈金をかけた大佐は、チャンスに宝石店強盗を強要する。
屈辱感にまみれながらもチャンスは仲間を集め、昔からのパートナー・北京ダック(山下真広)と、ライト(水上竜士)と名乗る口の減らない男、そしてクールなテキーラ(江原修)の四人で計画を実行する。チャンスたちは宝石を持って大佐との金の引き換え場所である廃工場に赴いた。
ところが、そこへイカレたヒッチハイク強盗のTJ(小沢和義)と沙羅(高野みゆき)が現れる。二人は、途中のハイウェイでチャンスたちが宝石店強盗犯なのを知って、追って来たのだった。
ドク・ホリデーを気取るTJは、ライトの自分勝手な言動のお陰で仲間割れ寸前のチャンスたちから、宝石の入った鞄をまんまと横取りする。組織の恐ろしさを知っているチャンスは、それを取り戻そうとして激しい銃撃戦を展開するが、予期せぬ出来事にチームはバラバラ。
それぞれの思惑と裏切りに、奪回はうまくいかない。北京ダックが殺され、裏切り者・ライトがテキーラの凶弾に倒れ、沙羅がトラックの運転を過って死んでいく。
そんなところへ、とうとう大佐たちが到着。なんとか宝石を取り戻したチャンスは、密約通り自分だけ金を受け取ろうとするが、自分を信用してくれたテキーラが大佐の部下の放った弾に傷付くのを見て、大佐へ反旗を翻すのだった。
組織とチャンスたち、そして沙羅を殺された復讐に燃えるTJとの三巴の血戦が開始される。しかし駆けつけた警察によって、組織の連中やTJは銃殺。その隙を狙って大佐を殺したチャンスはテキーラを連れて逃亡を試みるが、警察に追い詰められる。
しかし、実はテキーラが潜入捜査官だったことが判明。
今や男の友情を感じていたテキーラは、チャンスに自首させようと警察に銃撃を止めるように訴えるが、過って射殺されてしまう。
絶体絶命のピンチのチャンスは、一人銃を構えて警官隊に向かっていくのだった。
レザボアドックスをペースに(仮面を着けての銀行強盗)ハートブルー、(強盗カップルのルックスやイカれた言動)カリフォルニア、(窓を挟んでの撃ち合いなど)ハードターゲットなどのアクション映画のオマージュが満載で、ジョン・ウー風な横っ飛びしながらの2丁拳銃乱射など小沢仁志をはじめとする俳優陣の香港映画に匹敵するド派手な銃撃戦や「ダーティーハリー」を思わせる暴走するワゴンの上での格闘やド派手なカーチェイスや「ドラゴン怒りの鉄拳」ばりのストップモーションで締めるラストまでド派手なアクションの連続で、スカッとしました。大佐の命令で一度は仲間を裏切ろうとしたが、命懸けで自分を守ろうとするテキーラのために大佐に反旗を翻そうとするチャンスと身分を超えた友情のために命を散らすテキーラの男の友情に、心が熱くなるアクションノワール。
「どんなクソヤロウにもチャンスはある」
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