SN

フェリーニのアマルコルドのSNのレビュー・感想・評価

フェリーニのアマルコルド(1974年製作の映画)
4.2
フェリーニの故郷であるリミニを舞台に種々雑多な人々が織りなす群像劇。

春を知らせる綿毛が舞い始め、人々は町の広場に集まる。博打が飛び交い、広場では魔女の人形が炎高々と燃やされ、窓から男が夜空に向けて発砲する。

高揚感に溢れる冒頭部とは対照的に、物語は静かに語られる。そのどれもが一つの煌びやかな挿話であり、全体的な筋や脈絡といった直線的な流れとは逆行している。

太ったタバコ屋のおばさん、奇行癖のあるおじさん、四六時中喚き散らしている父親、謎のバイクの男、適当な神父、個性豊かな学校の先生、盲目のアコーディオン弾き、そして少年たちの羨望の的であるグラディスカなどなど…よくもまあこんなにも個性的な役者を集めてきたもんだと感心するほどにフェリーニの青春は彩りであふれていたことだろう。

そして霧靄がかかる朝のシーン、海岸での結婚式の遠くからフィックスしたシーン、何よりも雪がちらつく中、広場に降りたきた孔雀のシーンなど印象的な箇所は多い。
SN

SN