マサミチ

ヤマトタケルのマサミチのレビュー・感想・評価

ヤマトタケル(1994年製作の映画)
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もっと子供向けの安っぽい作品なのかと思っていたら、思いの外しっかり作られている。

平成ゴジラシリーズで知られている監督の大河原孝夫はそもそも黒澤明監督の【影武者】の助監督も務めた人だから、それを連想させる大作時代劇は念願だったかも。

何しろ30年近く前の作品なので、今やクセのある脇役で鳴らす高嶋政宏がヒロイックな主役を演じているのはこの時代ならではとゆう感じもするし、ヒロインが【科捜研の女】のだいぶ前の沢口靖子、しかも悪役が阿部寛とゆうのは少し驚いた。

ゴジラ以外の東宝特撮物の系譜に連なる作品とゆうよりも、むしろ東映の史実を無視した時代劇、特に角川の【里見八犬伝】辺りはかなり意識しているのではなかっただろうか?

ただしそれらのアクの強い作品群に比べて、この映画が映画史的にはほとんど忘れ去られているのは、監督の大河原孝夫の演出の実直さにより個性的な部分があまり感じられないところもあるかもしれない。

そうは云いつつもこの時代の東宝の平成ゴジラシリーズの川北紘一による特撮演出は流石に良く出来ていて、キングギドラの原型とも云えるヤマタノオロチの造形は素晴らしいし、それと戦うウツノイクサガミ(宇宙戦神)なる巨大ロボットのような物も楽しい。

それとエンクレに流れる主題歌がGLAYのデビュー曲(!)とは。
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