原題=最好的時光であるが、「珈琲時光」のように「~時光」というのは、この映画に出てくる手紙にも書かれており、台湾では良く使う言い回しのようである。
ホウ・シャオシェン監督が描く百年にわたる恋。
物語は3つの時代からなるオムニバス映画。
最初は、1966年高雄での『恋愛の夢』。「♪煙が目にしみる」が流れるビリヤード場で玉を突く男(チャン・チェン)は、シウメイという女性(スー・チー)と出会う。スー・チーがスリムで格好いい。
このビリヤード場シーンは、光の使い方が素晴らしく、スー・チーに光が当たったり陰になったりと、映像が美しい。
シウメイはビリヤード場を転々とするが、それを追いかける男。
手をつなぐシーンにはグッとくる感動あり。
次は、1911年大稲てい。
『自由の夢』というサブタイトル付けられているが、冒頭から55年もさかのぼるので、登場人物の髪型や服装がそれなりに昔っぽくなる。
無声映画っぽい作りは、時代を表そうとしたものと思われる。
最後は、2005年台北。
『青春の夢』として、オートバイに乗る男女が描かれて……。
なかなか見事なホウ・シャオシェン監督作品であった。