モンマルトルの洗濯船(若手芸術家等が拠点としたアトリエ兼集合住宅)で芸術家と親交を深めることになる若者たち、原作者〝アンリ=ピエール・ロシェ〟の既成概念の否定・攻撃・破壊と言ったダダイスムの虚無感を描写する。
何故か後世は特に日本人に人気があったカトリーヌ役(ジャンヌ・モロー)のモデルは画家〝マリー・ローランサン〟、映画の中では描かれてはいないが同じ年齢のファッション界の〝ココ・シャネル〟との相対的な価値は根深く面白い。
嫉妬する権利がないと知りながらも嫉妬してしまう身が粉々になる哀感の情、カトリーヌとジムとジュールの三角関係は曖昧で複雑のようでシンプルで純粋。
今この瞬間、目の前の愛する人を永遠に愛し続けたい。
傷ついても傷つけられても誰かを愛することは罪ではない、愛したのは彼が彼女に彼女が彼と彼に彼女を…。
ひと晩中、互いに愛撫し続け夜明けにひとつになる、素敵じゃないか。
愛することは複雑なようで物凄く単純で純粋だが、簡単には行かないのは現実と理想が物凄く乖離しているから。
単純なものほど理想の塊は大きくなり、複雑なものほど理想の塊は分裂する。
フェミニストが時代錯誤で男の友情を破壊するファムファタールで、女の感情を無視する表現不足はミソジニー極まりないと…。
この作品を酷評し女性の人権云々とフェミニストが噛み付くのは勝手だが、現実から目を背け自分の理想から外れたものを全否定すれば真実の愛は永遠に掴めない。
昼想夜夢の愛に右だの左だの保守だのリベラルだの凡ゆる主義思想はチンケな戯言でしかない。
理想の殻を粉々に砕かなければ真愛は得られない、其れすなわち突然炎の如く燃え尽きる..★,