しどけ梨太郎

突然炎のごとくのしどけ梨太郎のレビュー・感想・評価

突然炎のごとく(1961年製作の映画)
5.0
フリーセックス批判とも取れるし保守主義批判とも取れる映画。
性愛に自由に生きてきた女が歳をとって魅力がなくなってきた自分に焦り、自分から離れようとする男を(自分にはまだ魅力があることを証明するために)引き止めようとする話。でもあるし、保守的な愛の形を主張していた男が結局愛も友情も失ってしまう話。でもある。

ジュール(オスカー・ウェルナー)の、愛されてなくたっていいから彼女が自分の人生から消えてしまうのだけは避けたいという気持ちが痛いほどよく分かるので100%ジュールの気持ちで映画を観ていた。分かるよ。そういう感情の果てにある「寝取られ」には一種の神聖なものすらあるように思える。

一番かわいそうなのはジルベルトだよね。

ジム(アンリ・セール)の顔が好き。