ウルフガー

地獄の警備員のウルフガーのレビュー・感想・評価

地獄の警備員(1992年製作の映画)
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アマゾンプライムにて視聴。不思議な映画だった。思ったより実験的な映画だった。昔ビデオで出たとき借りようかどうしようか迷って結局借りなかったんだけどその時観ていたら楽しめなかったかもしれない。その後の黒沢作品観た上で観ると勝手に深読みして楽しめてしまう。

ホラーのフォーマットをわざとそのままなぞりつつアメリカだと避暑地だったり学園だったりするところを日本なので会社を舞台にしてみたり、謎の存在とするところを普通に警備員として勤めている正体のわかっている人物にして意思の疎通もできたりするところとか、そういう試みがいちいち興味深い。

殺しの方法が全部力押しなのは笑う。特に「悪魔のいけにえ」のように女性を後ろから捕まえてどうするのかと思ったらフックに吊り下げるのでなくロッカーに押し込めるのとか、そこからガンガン潰して殺すのとかパロディとして秀逸。全体的に音楽だけが不満。というか黒沢さんの映画はいつもそうだけど。

そこまでサービス精神がある映画でもないし予算の少なさはネックなんだけど、それなりに観れてしまうのは、殺人鬼が人を殺していくというホラー映画のフォーマットというものがやはり強力なんだなとあらためて思った。
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