Yui

エヴァの匂いのYuiのネタバレレビュー・内容・結末

エヴァの匂い(1962年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

ミシェルルグランのフレンチジャズのサントラが大好きすぎて、話はもちろんなんだけどサントラの為に観たいと言っても過言ではないぐらいに音楽が極上。
曲のコロコロ変わる拍子が自由に気怠げに生きるヒロインエヴァにぴったりで本当に素晴らしい。初見合奏の時絶対バラッバラになって指揮者に怒られそうな絶妙に掴めない拍子の連続。大好きなサントラ!

ジャンヌモローって冷たくて美しい女性の役が似合いすぎる。今作のエヴァは先に鑑賞していた「天使の入江」のジャッキーと被った。どちらも演じるのはジャンヌモロー、どちらも一緒にいたら破滅するファムファタール。
エヴァ、どう考えても嫌な女なんだけど彼女は自分から特に男を誘っている感じはなくて、勝手に男が近づいて勝手に破滅していっている感じ。
主人公のタイヴァンはエヴァに出会わなくても元からクズだったし、最初から破滅する要素はたくさんあったはず。
タイヴァンが自分の嘘を告白するシーン、エヴァの首を絞めようとするシーン、所々ハラハラさせられて程良く上品なスリリングさが良かった。

ミシェルルグランのサントラも最高でありながら、エヴァが部屋でリラックスする時にレコードから必ず流すビリーホリデイの Willow Weep For Me も中々の味わい深さ。この曲が流れるレコードを最後に自ら割ってしまったのは何故なんだろう…。

全てを失ってもエヴァに縋るタイヴァン、冷たく扱うエヴァ、実る事のない大人の恋愛映画。
Yui

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