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修禅寺物語
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『修禅寺物語』に投稿された感想・評価

歴史は全く分からないので、「大事な面が焼けてしまう」と言って燃える修禅寺に出かけていく、面作師のエピソードの方が面白く感じた。モブシーンはもっと迫力を出せなかったのかと思ってしまった…。

「昭和の銀幕に輝くヒロイン 岸恵子」@ラピュタ阿佐ヶ谷
Lalka
3.8
源頼家を扱った岡本綺堂の戯曲を原作とする作品。

部分的に画面の暗さが目立つ。基本的には奏功していると思うが闇討ちのシーンはさすがに見えにくい。黛敏郎の音楽が大部分『赤線地帯』よろしくの前衛的なものになっている。
VHS化はされているがDVD化や配信はされていない。

原作は岡本綺堂の戯曲で未見未読だが、岡本自身が短編小説化しており、鎌倉時代を題材とした歴史小説短編集で読んだ。原作は岡本が伊豆修禅寺に伝わる鎌倉幕府2代将軍・源頼家の面と称される古い面を見て、それに着想を得て書かれたものとのことで、伊豆に住む面作師とその娘たちである2人の対照的な姉妹、そして修禅寺に幽閉された頼家の関係を描いたもの。戯曲では頼家はあくまで脇役で最初から修禅寺に幽閉されており、面作師父娘が主人公だが(昔、手塚治虫の演劇マンガ『七色いんこ』で概要を読んだ)、小説版ではどちらかといえば頼家のほうが主人公で彼が失脚する比企氏の乱から話が始まっていた。

映画はそれでも尺が足りないと思ったか頼家が将軍の時代から話が始まっており、大幅にオリジナルな展開。北条政子・時政・義時・比企能員・仁田忠常など原作には出てこない人物も登場している。とはいえもちろん史実通りではなく、頼家将軍時から時政が執権になってるし、頼家が病に倒れることもないまま比企氏の乱が起こり、最後は火矢をかけられた修禅寺が派手に炎上して全焼している。頼家は北条ばかりでなく比企も権力闘争に自分を利用してるだけだと嫌悪感を示し、修禅寺に幽閉された後は将軍ではなく1人の人間として生きたいと言い出すなど妙に厭世的なキャラクターに設定されていて、なんとなく頼家よりその弟の3代将軍実朝っぽい。全体的には史劇というより時代劇の雰囲気で、予算もあまり掛けなかったのか少々こじんまりとしており、スペクタクルなシーンは比企氏の乱と最後の修禅寺襲撃シーンぐらい(どっちも夜戦として描かれてるんで映像が暗くて見づらかった)。

原作より歴史度は上がってるが、そのためにかえって本来の主人公だった面作師父娘の存在感が薄くなり、物語の焦点がぼやけて、ずいぶん陳腐な話になってしまった。結末も原作とは大幅に異なるし、演出も平板で正直ちょっと退屈。政子が出てきたことで僕の苦手な母子もの要素があったのも個人的にはマイナスである。俳優陣も総じていまいちで、良かったのは悪役の北条時政を演じる東野英治郎ぐらい。東野さんが面作師役をやれば良かったのになあ。