映画は遠い過去のはなし

太陽はひとりぼっちの映画は遠い過去のはなしのレビュー・感想・評価

太陽はひとりぼっち(1962年製作の映画)
3.1
◎額縁の中のオブジェの移動、ヴィトリアの行動、証券取引所での実体のない数字と格闘する欲にまみれた投資家達、友達と集まってはアフリカの黒人ごっこで悪ふざけしたり、全ての展開が暗喩に満ちて象徴的だったりする。特にラストの5分間の空虚で枯れた街模様が写される場面は典型的。
でもアントニオーニ曰く、「これは象徴的に観るのではなくて、感覚的に観るのだよ」だそう。

◎全てが空虚で虚しい。二人の愛が始まり、やがて終わりを迎えても、株が暴落して人生行き詰まったとしても、セスナ機に乗ったり、黒人ごっこをして馬鹿騒ぎをしても、この世の事象は何事も無かったかのように過ぎ去る。

◎極端に少ない人物の配置、不安を助長するような影にデキリコの絵画を思わせた。