イチロヲ

忍者狩りのイチロヲのレビュー・感想・評価

忍者狩り(1964年製作の映画)
3.5
幕府による取り潰しの標的にされた松山藩が、送り込まれてくる甲賀忍者に対抗するべく、4人組の素浪人からなる精鋭部隊を結成させる。影の忍者を相手取ることになった浪人チームの奮闘ぶりを描いている、エンタメ時代劇。

近衛十四郎率いる浪人部隊と天津敏率いる忍者部隊が、頭脳戦、攻防戦を繰り広げていく。浪人部隊は落ちぶれた元藩士なので、忍者の隠密行動を暴くことの困難さを熟知している。非情な忍者を斬るためには、自身も非情なライセンスを持たなければならない。

屋敷内に諜報部員が潜んでいる状態から、どうにかこうにか押し返していく展開が、非常に面白い。色仕掛けで窮地を凌ごうとするくノ一も登場しており、この時期のメジャー作品では珍しいことに乳首を露出してくれる(吸い付く役割は、やっぱり山城新伍)。

東映京都製作のため、70年代のバイオレンス路線で活躍する顔ぶれが、若くて溌溂とした演技合戦を展開させる。後の特撮ヒーローとも重なる部分があり、長い文脈を念頭に置きながら鑑賞すると、しみじみとした味わいが出てくる。
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