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アウトレイジ ビヨンドのmatchypotterのレビュー・感想・評価

アウトレイジ ビヨンド(2012年製作の映画)
3.8
前作は山王会のいわば内輪揉め。
内輪揉めの中で色々な悪い奴らが色々な思惑で悪いことを思いついてやったもん勝ち。生き残ったもん勝ち。

そんな生き残ったもんで何とかデカくなった山王会。北野武演じる大友が服役上がりの仮出所で嫌々この世界に出戻り。

この大友本人も色々思惑あるけども、基本は面倒な抗争から足を洗いたい。でも、前回の内輪揉めを知り、いまだに余波が残り燻ってる業界の中で本人よりも周りがほっとかない。ほっとけない。

結果的には戻ってくるけども、それなりの覚悟と強かさを携えて、荒波の中に戻ってくる。
これがまた渋い。みんなが裏をかくことに躍起になってるところを辟易してあえて裏から表に回ってやってくる感じ。

周りがごちゃごちゃやってるから、うるせーな、馬鹿やろう!と。
でもやる時はやる、手加減なし。

今回も色々前回から引き続きも、新たな顔ぶれもとんでもないドスとパンチの効いた人達ばかりなのに、その中を泳ぎつつも素直に流れに従わずに、ブランクありの札付きであっちからもこっちからも追われても、周りがメンツと筋を通してる傍で動き回る嗅覚みたいなのがスゴい大友。渋い。

今回は大阪の花菱会。西田敏行氏の前傾姿勢と塩見三省氏のふんぞり返り。
このコントラストと言うか右ストレートと左フックのワンツーみたいな強パンチの大胆コンビネーションがもう観てて爽快。強すぎる。

山王会のメンバーが前回からのいざこざと残り香で前回以上にパワフルに動き回ってる中で、花菱会のこのインパクトがまったく負けてないのはこの2人の力において他はない。
こんなおっさんたちに囲まれたら何も言えないわ。

ってのと、個人的には色々粛清活動を暗躍する高橋克典、贅沢だわ。高橋克典レベルでこの立ち位置ってのが凄すぎる。
そして相変わらず白竜さん、凄みが凄すぎる。

前作よりも業界の動きが盛んと言うか、絶対的なバランスが崩れたからその分“ほつれ”が多いところをあっちこっちでまた乱れがあって整えようとする人がいるって言う、ある意味自然の淘汰みたいな淡々とした雰囲気でとんでもない大事を描く北野映画。

この手の映画を観る時に毎回思うけど、極道って実在してるだけに、多少の演出とか脚色はあるにせよ、これに近い世界が実際にあって、これに近いような世の中のことが決まる瞬間があったりなかったりするんだと思うと、何かもう、、、スゴイわ。
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