『君たちはどう生きるか』すぎる。高畑勲役のデニス・ホッパー。特殊効果が強すぎてジャンピエールジュネみたいになってるけど、それも『君生き』的フェリーニデクパージュだと思えば許せてしまう。
北野武がタケシズ撮ってたときにヨウジヤマモトに「こういうのをやっぱり通過しないと映画って撮れないんですね」って言われたって有名なエピソードあるけど、ヴェンダースにとってのそれがこれ。『夢の〜』以降のヴェンダース迷走期?の終わりを告げる自己治癒作品だと思う。『Pina』以降は完璧に3Dに開眼することになる。本作の時点で『Pina』の撮影開始しているのでどこかしら3Dを意識させた演出が多いように見える。とはいうものの、朝焼けと木漏れ日に耽溺しまくり。絵画の修復してる妙齢の女性って細田『時かけ』の魔女おばさん以外ではじめてみたな。精霊ルーリードも3Dで見たかったような。
月に雲の影がかぶさるかっと。それは地球、というか地球に住む人々の営みのすべてが月にかぶさって影のように蠢いているように見える。