Maoryu002

黄昏のMaoryu002のレビュー・感想・評価

黄昏(1981年製作の映画)
4.4
気難しい老人ノーマン(ヘンリー・フォンダ)と妻エセル(キャサリン・ヘプバーン)が過ごす湖畔の別荘に、娘チェルシー(ジェーン・フォンダ)が恋人とその子供ビリー(ダグ・マッケオン)を連れてやってくる。父娘の関係は険悪だったが、その後、老夫婦はビリーを預かることになり、3人の生活がノーマンを変えていく。

自分にとっては80年代への郷愁を象徴する作品のひとつ。
「ザ・リバー」「フォー・ザ・ボーイズ」のマーク・ライデル監督が生み出した、湖の景色と、そこに溶け込む鳥たちの姿が奇跡的に美しい。

1930年代から名作に出続けたヘンリー・フォンダが憎たらしくも味のある老いっぷりで、同じ時代に活躍しながら、なぜか彼と共演がなかった超名女優キャサリン・ヘプバーンの朗らかさが最高!
“客だぞ!” ”私よ、おバカさん” なんて、2人のじゃれ合いのようなやり取りを観ているだけで楽しくなる。

父親に抑圧され否定され続け、怒りと憎しみに囚われているチェルシーに対してエセルは “人生を無駄にするな” と憎しみを捨てさせようとする。
赦し合い、やっと親離れ子離れした2人の姿には静かに感動させられる。

大きな事件もなく、父娘の確執も大したことなく見えるんだけど、フォンダ親子の実際の確執を考えると何とも感慨深いし、全体的に作品の優しい雰囲気が大好きだ。

そして、この老いた2人は理想の夫婦ランキング第1位、間違いなし。
Maoryu002

Maoryu002