Yoshishun

ドラえもん のび太とロボット王国(キングダム)のYoshishunのレビュー・感想・評価

2.3
映画ドラえもん23作目は、突如現れた少年ロボット・ポコの母を助けるため、ロボット王国に冒険に出るというもの。短編2作と同時上映だったために、映画ドラえもんの中でも上映時間はかなり短い。これが仇となったのか、映画ドラえもんシリーズでもかなり酷い出来だった。

物語は終始駆け足気味であり、何故あそこまでポコに優しくするのかわからないまま気付けば異空間世界へ。ここからが更に酷く、ラスボスであるはずのデスターの目的が散々引っ張る割に拍子抜けであったり、所々会話が噛み合っていないのに何となく皆結託し、何となく最終決戦へともつれ込む。デスターとの巨大ロボットによる闘いはしょうもないギャグで締められ、最早ひみつ道具の存在価値すら疑ってしまう強引さと後付設定のオンパレードで何となく解決させてしまう荒々しさには参ってしまう。

そもそもスネ夫のロボ犬を元に戻すのも目的の1つのはずが完全に忘れ去られているが何とも。また、ジャンヌ女王は中の人の演技が今ひとつなのも相まって、女王の器を被るにはあまりにキャラクターとしても弱過ぎる。ある種ドラえもん映画史上屈指の最低ヒロインだ。

ロボットとの共存をテーマにしたいはずなのに、母と子の絆にすり替えられ、何か良い話風に落ち着いているがそれにしては母との絡みも少な過ぎると思う。あのままドラえもんは本当に木っ端微塵となり、壊れたドラえもんを友達だからという理由だけで修理し甦らせるという展開の方が余程ドラマチック……2chであったな、このネタ。
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