このレビューはネタバレを含みます
ワイルドスピード第3作目。本作では主役が交代しポール・ウォーカーからルーカス・ブラックに変わっています。過去作から大きく趣向を変えた本作、以下本筋に関わらない程度のネタバレでレビュー。
・トンデモ日本描写はいかに?
本作の魅力は何と言っても日本が舞台ということ!
自分もいつも楽しみにしているのですが、たいていのハリウッド映画でのとんでもない日本の描写では、日本と韓国と中国のステレオタイプをごった煮にしてブレードランナーで割ったみたいな架空の国がよく出来上がってますよね。
ただ、多くのハリウッド映画がエセ日本をセットやら他のアジア諸国やらで代用している中で、本作は日本でしっかりロケを行なっている点はそれだけでも非常に好感が持てますね〜
ぱっと見のロケーションに関しては日本人が観ても違和感なく観れます。
トンデモ日本描写は、特に看板に顕著に現れる気がしていて
「音楽」や、「バー」など、一般名詞をそのままド直球で書くみたいな看板を掲げる店がはびこる社会になっていたりするのですが。
今作では「マツモトキヨシ」などの固有名詞が出てきたりしてよかったー、と一安心。
ただ、製作陣の描く日本観が昭和?っぽさがある気がしていて
主人公ショーンの住居も昔ながらの家って感じだし
詰襟を真面目に着るショーンもシュールなのですが、「ウワ…バキ…?」と、ジャパンの上履き文化に戸惑うシーンは必見です。
まぁ平成の世で撮られた作品とはいえ、昔ながらの小学生が履くような白の上履きを採用している高校なんてあったんですかね??
そして、高校生の何よりの楽しみであるお昼の時間です。食堂は至って普通の趣なのですが、料理がなぜかビュッフェスタイルで提供されるという。
日本人からしても謎の創作和食がずらりと並ぶ中、学ラン姿のガタイのいい外国人が列に並んでジャパニーズフードに舌鼓を打つ様は、もはや観光地でコスプレした旅行客がランチを楽しんでいるようにしか見えない。
・日本人多め
今作では日本人キャストが多く起用されていて、真木よう子や柴田理恵や、妻夫木聡が出演しています。3人とも秒で画面から姿を消すのですが、中でも妻夫木聡はレース開始の合図で「Go!」とだけ言ってすぐ退場。画面にアップで映るので目立ってはいましたが、まぁイケメンの無駄遣い感甚だしいですね。
そんな中、本格的に売れる前の北川景子が結構多くのシーンに出演していることに注目。オーディションで役を勝ち取ったらしく、これ以前の出演作は実写版美少女戦士セーラームーンくらいだったので、いきなりハリウッドの超大作出演すげーってなりました。
ただ、全然喋らんのです。目立った台詞としては「お前の運転がまずいんだろ。見な?」くらいしかありません。
まぁ英語も話せないでしょうから致し方ない部分はありますが…
ショーンの友達的な立ち位置でちらほら出てきますが、セリフがない分、あまり画面の中心にはいないので「北川景子をさがせ!」状態で1つ映画の楽しみが増えた気がしましたよ。
しかしながら、ショーンが不良に殴られて倒れ込むシーンでは、大丈夫?とばかりに背中に手を置いて心配するシーンがあるのですが、なぜか無言。美人なので黙っていても問題は起きませんが、違和感すごかったですね。
・D!K! ドンキー・コング!!
ショーンのライバルとして出てくるのは、D.K.と呼ばれるヤクザ。そういえばハリウッド映画におけるヤクザは、ほぼ全員日本刀で斬りかかってくるのがマストなのですが、今作ではしっかり拳銃使ってましたね。
劇中でも茶化されてましたが、D.K.はドンキー・コングの略ではなくドリフト・キングの略だそうで。
今作はタイトルにもあるように、とにかくドリフトしまくる映画なのです。
キングの異名を持つほどなので、ドリフト技術に関してはホモサピエンスを超えた実力を発揮しています。
一方で、ショーンは「ドリフト…?バナナヨリ、ウマイノカ?」と、上手い下手以前に、ドリフトというものすら知らない始末。
その状態でD.K.と立体駐車場にてレースをした際には、ドリフトができず壁にゴリゴリと車体をぶつけながらパワープレイで進むも、圧倒的大差で負けてしまいます。悔しさのあまり↓Bで床を叩きまくり、周囲をイライラさせるショーンでしたが、ハーンという韓国人に連れられて、ドリフトの練習を始めます。
果たしてショーンは人類に戻ることができるのか!?
とまぁだいたい笑えるポイントを抽出して書き連ねたわけですが。
主人公が高校生ということもあり、ノリが全体的に軽いこの映画。個人的には結構好きな一本ではあります。日本でロケを行なっているハリウッド映画は、ウルヴァリン : SAMURAI と本作くらいしかないのでは??(絶対あるでしょうけど)
そういう意味でも何も考えず、ツッコミどころ満載で楽しく見れる映画なので、おすすめです!
日本版ポスターに、しれっとメインキャストっぽく北川景子がねじ込まれている点については、どうかと思いますが。