くるぶし

ポカホンタスのくるぶしのレビュー・感想・評価

ポカホンタス(1995年製作の映画)
3.3
白人によるネイティブ・アメリカンへの侵略という、歴史的な負の側面を美化しまくっていて違和感。
現在もアメリカのネイティブアメリカンの団体はこの作品に批判を続けている。

史実を基にして歴史上の人物名とか使われちゃうと完全にノイズでしかない。なら完璧に架空の話、もしくは動物などに置き換えあくまで比喩的に描く方が良かった。

この時代のディズニーは人種的な配慮をし始めたころ。(アラジン、ムーランとか)
ただ表面的な配慮や必要以上に美化したところで強者の論理の押し付けに過ぎずむしろ不快感を与えてしまう。
さらにディズニーは老若男女問わず多くの人が触れる作品であるためその辺りは慎重にやるべきだったと思う。

今作はジョンスミスの逸話が基となっている。(ジョンスミスの著書)
そもそも今作の王子様枠であるジョンスミスは研究者により大ホラ吹きであったという説もあり、この話自体本当にあったことかどうかは怪しい。さらに歴史的に見れば彼が主導してネイティブアメリカンの虐殺を行なっていたというのは事実である。
そんな彼をヒーロー然として描く(金髪マッチョ)ことは被害者である者たちの傷を抉ることになるのはわかりきったことだ。

もし本当に配慮してネイティブアメリカンの話を作りたいというのであれば、彼ら自身の童話であったりを映画化する方が良いでしょう。

ストーリーはノイズがなかったとしたら結構良かった。キャラも中々魅力的なだけに惜しい。

20210623付け足し

色々批判めいたものを書いたけど南部の唄のように公開中止等にして無かったことにするのはまた別の話だと思う。

ディズニーが背負っていくべき負の面であると思うし、誤解を生まないように解説や注釈を入れながら一つの文化として保存していくことに価値があると思う。
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