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兵隊やくざ 殴り込みのcatmanのレビュー・感想・評価

兵隊やくざ 殴り込み(1967年製作の映画)
3.5
1967年公開のシリーズ7作目。八路軍に単身で殴り込みを掛けて中国兵を次々と射殺する大宮。前作でも似た様なシーンがあって相当な違和感を感じたが、本作でそれが決定的になってしまった。大宮貴三郎という人物の魅力は戦争の愚かさにとことん背を向けた無邪気な天衣無縫なキャラクターであるのに、戦争の英雄に仕立てちゃってどうすんの。恐らくマンネリ打破が狙いで、戦争アクションコメディとしてはこれで良いのかもしれないけど… 日本が戦争に負けたと聞いて「ありがてぇ!これで国へ帰れる!」って小躍りするのが大宮の真骨頂ってもんでしょ。「元気出せ!日本は負けたけど俺たちが負けたってワケじゃねえんだ!」ってセリフは良い。
(追記:普通の戦争ヒーローになってしまった大宮が敵から奪い返したのは中身が無く外枠だけになったボロボロの軍旗、しかも実はその時既に戦争は終わっていた。という強烈な皮肉を描いているのだと言う考察を他の方のレビューで読んでなるほどと唸りました)

さほど印象には残らないものの野川由美子が相変わらず綺麗でステキ。細川俊之の良い奴キャラはちょっと中途半端で惜しい。小松方正って良い俳優だなぁ。ええ声してる。あと今更過ぎるけど田村高廣が実に良いですね。勝新は言うまでもなく最&高。ただやっぱり本作は大宮と有田の絡みが淡白なのも不満なんだよなぁ
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