370年前、徳川軍と武田軍が戦った古戦場三方原
この地の名家小名木の家では男は代々短命とされ、所有するかつての戦場の土地は足を踏み入れるのも憚られると今はススキ野原状態
だが今は戦時、村のためお国のためそのススキ野原を遊ばせては置けない!開墾するべきとの青年団の申し出も小名木家の女将吉川満子は祟りを恐れ退ける
さらには小名木家の家長である青年原保美は病弱、先の短い将来を悲観していた、、、
公開が1943年の11月18日とかなんでまさに戦争真っ只中、なんですがまだそんなに苦境なころでもないのかな
後年の「陸軍」でもそんなに軍事色強くないけど、その一年前のこの作品はさらにのんびり感がする
ですがストーリー、オチは結局軍国主義な国策映画に近い
軍国主義による個人よりもお国のためを優先する考え、その考えが人々を救い万事うまくいったみたいなストーリー
グレた青年原保美は改心して立派な家長になり、その家族たちも古い因習から解放される
軍医の先生は念願の孫六を手に入れさらにはお嫁さんも貰えたし
バスの運転手の青年は結婚を許されて、双方の家族も良かった良かっただし
懸念された原っぱの開墾も許されて村は豊かになったとか
良い事づくめ!なんだけど、、、美談にしてるよねー?当時としては大正義!なんだろうけど現在から見るとちょっと待って、そんなにうまくいかないだろと
軍人さんはみんな死を覚悟してお国のために身を捧げるのだから、たとえ病気で先が短ろうとその一生を意義のあるもの、お国のためになるものにするべきとの説教にグレた青年原保美が改心するのはまあいいとして
370年足を踏み入れるのも憚られた土地を開墾するのはどうなの?関係なくない?そんなにこの辺りは土地不足なのかな
軍医さんと妹がいきなり結婚とかも驚き!考えもしなかったwそんなフラグもなかったのに、、、わからないもんです
タイトルにある「孫六」にしてもそんな簡単に手放していいものじゃないでしょーよ
めでたしめでたしだけど、やっぱり強引
お国のためにならそれも全て納得な世情だったのかなー
冒頭では徳川軍と武田軍の戦いのシーンが挿入されてます
上原謙って現代劇のイメージしかないので鎧をつけて刀を持つ侍姿がなんか新鮮だった
あとはこの映画を見て初めて「三方原の戦い」なるものを知った
三方原はみかたがはらと読んで、現在の静岡にある土地らしい
この戦い自体は徳川軍は負けてるんだけど、舞台となる土地は家康公よりご先祖様が授かった土地であるとか
なかなか勉強になりました