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刑事物語2 りんごの詩のdaiyuukiのレビュー・感想・評価

刑事物語2 りんごの詩(1983年製作の映画)
4.3
弘前中央署に、札幌署から堂垣内と佐藤の二人の刑事が訪ねて来た。彼らの依頼は、二年前札幌でおきた現金輸送車襲撃事件の証拠として残されたりんごの種の品種分析である。
早速、片山刑事(武田鉄矢)が二人をりんご試験場に案内したが、りんごの種から品種分析することは不可能であった。失意の二人を誘って入った喫茶店は、片山が今朝出会った少年たけしの母親・澄江(酒井和歌子)の店であった。
札幌に帰る二人を駅に見送った片山は、定年間近い堂垣内への同情から、りんごの種を預かることにした。
駅を出た彼は、堂垣内を札幌から追いかけて来たという、北海道タイムスの記者、玉垣に声をかけられる。
翌朝、再びりんご試験場を訪ねた片山は、所員の忍(園みどり)にりんごの種の栽培を頼む。毎日通ううち、片山は彼女に好意をいだくようになり、やがて種が芽を出した。ある日、二人は十和田湖でデートし、その夜初めて結ばれる。
次の日、送られてきた北海道タイムスに、芽を出したりんごの種の事が伝えられていた。そこに忍から双葉が開いたという電話、彼女はこの双葉が紫色の花だったら素晴らしいと告げる。
その夜、りんご試験場の研究室が荒され、現場に駈けつけた片山は忍の死を報らされる。北海道タイムスの記事が、現金輸送車襲撃事件の犯人を刺激したらしい。
犯人が北海道にいるとにらんだ片山は、札幌に向った。彼は忍が話した紫色のりんごの花が気になってしかたがない。手がかりは得られず、弘前に戻った片山に自宅謹慎の辞令が待っていた。
その間トレーニングに励む片山、そこには彼の蟷螂挙の型を一所懸命にまねるたけしの姿もあった。ある日、たけしは片山を自宅に誘う。
そこで澄江は、暗く哀しい自分の過去を話しだした。次の日の夜、署に訪ねてきたたけしを送った片山は、家の中庭に紫色の花を咲かせているりんごの木を見つける。すべてを話し出す澄江。
翌深夜、澄江の家の前に一台の車がとまり数人の男達がおり立った。
彼らは、口封じのため現金輸送車襲撃事件の共犯である澄江を殺そうとする若本たちだった。
片山の怒りの拳が犯人たちを倒し事件は解決した。澄江は自首をし、片山は孤児院にたけしを送った。
武田鉄矢が、蟷螂拳で悪党を倒す片山刑事を演じる「刑事物語」シリーズ第2作。
現金輸送車襲撃事件の犯人の手がかりが紫の花を咲かせるりんごの種だったりねぶた祭りなど青森の地元のネタを絡めたり、片山刑事と研究員の忍の恋が自然やねぶた祭りでのデートや不幸を背負った忍を黙って受け止める片山の優しさなどでロマンチックな味付けがされていて、片山刑事と澄江の息子たけしの一緒に蟷螂拳の稽古したり疑似親子的な交流が、ヒューマンドラマとしてしっかりしている。
片山刑事とたけしが、蟷螂拳の稽古をするシーンは、ジャッキー・チェンのカンフー映画のようで楽しく、タモリが仕切る怪しげな居酒屋のシーンも、ニヤニヤさせられる。
クライマックスでの片山刑事のハンガーヌンチャクで悪党を薙ぎ倒すカンフーアクションでは、「違ーう木のやつ!」も出てよりパワーアップしていて、片山刑事がたけしに強さの意味を教えるオチも切ない後味を残し、シリーズ最高傑作というのも納得のシリーズ第2作。
「男は強くならなければ、大好きな人はみんな遠くに行ってしまうんだぞ!」
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