クズネツォフの長編デビュー作。レストランとして停留していた帆船「さまよえるオランダ人」号がある夜繋留ロープが切断され船は岸を離れてしまい、様々なトラブルが降りかかるワンシチュエーションもの。コメディ作なのだろうが途中から舵が取れなくなったのか最終的に共同体としてパリピみたいな漂着点に謎のがっかりを味わった、

• #2019〜

ワーグナーのオペラも、その原作のハイネ『フォン・シュナーベレヴォプスキー氏の回想記』も知らないがおそらく多少の着想だけで別物なんでしょう。というか「Flying Dutchman」でぼくが思い浮かぶのはジャズレーベルだったりする。

さて、係留索はごろつきによってすぐ断ち切られる。あとは個性が強く航海など知らないレストランのスタッフと客、それぞれをコミカルに描写していく。

でも、それぞれがそれほど細かく描かれているとも思えないし、突き放す形の効果が得られているとも思えない。

Marsevnaかな。「そんな格好で出てくるな」と言われてた航海経験のある女性スタッフが後半船を指揮しているけど気づいたらって感じ。最終的に個人主義的な連中が共同体のようになっているがその過程もあくまで危機的状況から想像するしかない。さすがに救助は笑えたけど。